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墓場鬼太郎 6 貸本まんが復刻版 (角川文庫 み 18-12) |水木 しげる

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墓場鬼太郎 6 貸本まんが復刻版 (角川文庫 み 18-12)墓場鬼太郎 6 貸本まんが復刻版 (角川文庫 み 18-12)
水木 しげる
角川書店 刊
発売日 2007-01



「アホな男/ないしょの話」 2008-04-07
 

本書は佐藤プロ版「墓場鬼太郎」の「-怪奇オリンピック-アホな男」と、東考社版「墓場

鬼太郎シリーズ」の「ないしょの話」を収録しています。いずれも着想、絵柄がすばらし

い、貸本時代を代表する作品です。また後者はアニメ版『墓場鬼太郎』では放映されてお

らず、「幻の12話」になっています。



【アホな男】

「アホな男」は、「あの世保険」の特典として鬼太郎が配った、怪奇オリンピック招待券

が引きおこす悲喜劇をえがいた話です。鬼太郎は生活費をかせぐため、わずかな現世の掛

け金で来世の幸福を約束するという、「あの世保険」の販売を思い立ちます。保険に加入

した貧乏まんが家、水木さがるは怪奇オリンピック観戦のため、あの世へ向います。しか

し現世に戻ってみると、もう一人の自分が彼の肉体を乗っ取っていました。ダマした男

と、ダマされた男、さて、どちらが「アホな男」なのか。当時貧困にあえいでいた筆者

の、現世への痛烈な皮肉に満ちた作品です。



【ないしょの話】

「ないしょの話」はニューギニア探検にくわわった天才学生、山田一郎が遭遇した悲劇

(ゲゲゲの鬼太郎「大海獣」の原案)と、一郎の帰国を待つ両親が体験した奇蹟がおりな

す物語です。一郎が活動する現実世界と、年老いた両親がくらす信心の世界との対比がじ

つにみごとな作品です。

 本作は鬼太郎シリーズとして異色です。それというのも鬼太郎でなく、ねずみ男と目玉

おやじが重要な役を演じているからです。一方、鬼太郎は人魂の干物を食べて、骨と液体

になってしまいます。なので冒頭と結末にしか登場しません。



アニメ版『墓場鬼太郎』は第11話「アホな男」までの放映でした。ですから本書の「な

いしょの話」をいわゆる「幻の12話」として読むのも、楽しみの一つではないでしょう

か。



【アホな男】(佐藤プロ、1964年)

「不老不死の血」

「血をさがす人々」

「妖怪たち」

「危いモノに手を出す男」

「偶然のたわむれ」

「パイオニヤ(開拓者)」

「怪奇オリンピック」

「意外な事実」

「アホな男」



【ないしょの話】(東考社、1964年)

(プロローグ)

「あんまの家」

「二人の天才」

「山田家の怪事」

「ニセ隊員」

「山田老人とあんま」

「かなしい知らせ」

「ニューギニアの港」

「耐えがたいさびしさ」

「鯨神(ゼウグロドン)」



〈解説〉高橋克彦「すべては鬼太郎からはじまった」


さらに詳しい情報はコチラ★


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